原作沿鼬長編肆

□巻の95
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八尾をやったことで
サスケは国際的な犯罪者として
指名手配されていた。









雲隠れがサスケを始末すると聞いたナルトは
雷影にサスケを殺さぬよう
直訴しに来ていたのだ。






















ナルト、カカシ、ヤマトの前には
雷影とその他の雲隠れの忍たち。



























雷「火影の伝令か?はたけカカシ!」




カ「いえ…今日はお願いがあって来ました。木の葉隠れのうずまきナルトの嘆願です。少しだけでも聞いてあげてください。」




ナ「………。」




「少し失礼じゃないか?事前連絡もなく会談への道中にこんなことを…」




雷「まあいい。そこのガキだな…話せ!」



ナ「………。」



















雷影の迫力に怯えることなく
ナルトは生唾を飲み込み意を決した。






















ナ「サスケを…うちはサスケを、始末するのを止めてもらいてーんだ…」




「お…おい…お前こんなとこで…そんなこと…」




「………。」




「まだ言ってんのか!」



「言うね…」



「何を…キミは…?」




ナ「無茶苦茶言ってんのは分かってる…!でもオレはそう言うしかねーから!サスケは友達だ…!友達が殺されるってのにただじっとはしてられねーよ!それにサスケが元で木の葉と雲が殺しあうのは嫌だから!!そっちにも仲間にも復讐はさせたくねーんだ!!」




雷「……行くぞ」













雷影はナルトの言葉を聴くことなく
足を進める。





















ナ「お願いだってばよ!!もう復讐で殺しあうようなことしたくねーんだ!サスケは復讐のことばっかだった!」


















ナルトはその場に座り込み手を付いて
雷影に叫んだ。























ナ「それに取り付かれて変わっちまった!復讐はおかしくなっちまう!!知ってるヤツじゃなくなっちまう!」




雷「………。」




ナ「もう誰もサスケみたくなって欲しくねーんだ!!木の葉も雲も、殺し合いなんかさせたくねーんだ!」




















ナルトは涙を流して
頭を下げ続けた。























ナ「…だからっ…!!うっ…くっ…うっ……」




雷「ワシ達はサスケを始末する。その後お前らが踏み止まれ!!」



「ケッ。馬鹿が!!」



「我々は急いでいる。もういいだろう」



ナ「………。」



ヤ「かつてアナタが日向の白眼を狙いやったことは木の葉では何も解決していない。戦争の火種を作った雲側に対し木の葉は血の涙を飲んで戦争を回避した。」



雷「………。」




ヤ「尊い犠牲の上にアナタ方は存在している事を忘れないで貰いたい」



カ「…今ここで若い忍が不器用なりに雲と木の葉…互いの里、国を想い頭を下げている。雷影さま…アナタは五影の一人としてこれをどう捉え思われる?」



ナ「……うっ…」




雷「忍が簡単に頭を下げるな!忍が尊重するものは行動と力だ!忍同士の話に譲歩ぐせは禁物だ!人類の歴史は戦争の歴史だ!3つの忍界大戦以後…あらゆる国…里が強い忍術を手に入れようとしてきた!力なき者は踏み潰される!それが忍世界の絶対の真理だ!」



カ「………。」



雷「暁は国際指名手配となる。そうなればワシだけではない。世界がサスケを狙う。犯罪者の為に頭を下げ仲間の安全の為慈悲を請う!忍の世界でそれは友情とは言わん!」




ヤ「………。」




雷「木の葉のガキ。お前が何をすべきかもっと考えろ!馬鹿のままやり過ごせるほど忍の世界は甘くない!」




「………」




「ヘッ!」




カ「ナルト…もういいよ…頭を上げろ」























雪に頭を付け泣き続けるナルトの
肩を叩くカカシ。
















雷影は横目でそれを見ていた。
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