原作沿鼬長編弐

□巻の46
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気を失った寧々をイタチは自分のベッドで休ませる。






鼬「寝顔は昔のままだな」








頬を撫でながら優しく笑うイタチ。







鼬「……お前がこちらに来てくれてよかったよ」










里を抜けた日からずっとお前を想ってきた。
サスケと寧々、二人のことだけを想って…



サスケを生かしたのは、何もしらない子供まで
巻き込みたくなかったから。
そして木ノ葉の英雄に仕立て上げる為…



寧々を里に残したことは何度も後悔した。
あの、大蛇丸の一件のときもそうだ。
オレが助けに行かなければ今頃……、
寧々を守れるのは俺しか居ない。


だが、あの里にサスケだけを残していくわけにはいかなかった。
いつ誰がサスケを襲うかわからない。
当時はまだ子供で…、誰かに守られなければならなかった。


だから寧々をサスケの元に残した。


しかし、サスケよりも厄介な能力を秘めている寧々は
狙われる確立が高いから、とても心配だった。


強いとわかっていても…
自分の身は自分で守れる女でも…。
お前はオレの大切な女だ。


それにうちは一族のあの下らぬ実験犠牲にしてしまった。
そしてお前は戦いの苦しさを、
呪いの連鎖の辛さを、知っている。
もう…苦しんで欲しくないんだ。




寧々の意思で、望んだように
出来るだけは叶えてやりたいんだ。




まさか…、お前がオレに着いて行きたいと
言うなど思っていなかった。



オレ自身、最初から寧々には
着いてきて欲しかった。




あの夜は素直にそれを伝えられなかったが…。













『ん、イタチ……?』




鼬「眼が覚めたか……気分はどうだ?」



『うん、最高ね』









寧々はそっとイタチの手を握る。








『だって、目覚めたら、イタチが目の前にくれたんだもん…』



鼬「………!!」



『ずっと、こうしたかったよ…イタチ……』



鼬「…寧々……」







涙を流してイタチの胸に飛び込む寧々。







『昔は、これが当たり前だと思ってた……ずっと、変わらないって…』




鼬「すまない、」



『ううん、いいの。アノ夜のこと…あれはイタチが悪いんじゃない。』



鼬「お前は何故あの事件の真実を知っている…?」



『聞いたの…』



鼬「上層部には絶対に口外しないように脅しをかけてきたんだが」



『上層部には聞いてない。』



鼬「…じゃあ、誰に…」



『………うちはマダラ。』
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