原作沿鼬長編弐
□巻の40
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見たこともないくらいの厳ついオジサンに戸惑う寧々。
『顔怖い……』
蠍「うるせぇ。いいから早くしろ。」
サソリと呼ばれる厳ついオジサンは
マントの下から長い尾を出して攻撃してくる。
『尾!?』
蠍「オレは待つのも待たせるのも嫌いだ、早く来い」
気の短いサソリはこれみよがしに攻撃をかまして来る。
どこからか飛んできた千本を避ければ、
その針先からは液体が滴るのを確認できた。
『毒……!』
蠍「ククク…これはヒルコという傀儡だ。武器には全て毒が塗ってある。掠り傷一つでも致命傷だぜ」
『……傀儡…』
そうか、この厳ついオジサンは傀儡であってサソリではないのか。
傀儡なら操者が必要…サソリは何処?
傀儡を操るのならチャクラ糸が必要……、それにこの傀儡ヒルコには
チャクラを感じる…。だとしたら、サソリ本体はこの中!?
まずは、ヒルコという傀儡を壊さなければならない。
しかし、相手は傀儡。
黒死血も幻術も効かない。
それに一撃でも食らえば毒に犯される…
『…くっ……!』
蠍「ククク…危なかったな。」
ヒルコの尾が寧々めがけて突っ込んできた。
危機一髪、擦れ擦れで交わしたが
靡いた長い髪を翳め数本切られて宙に舞った。
『……やるわね。』
蠍「フン、オレはさっきの奴らとは違うぜ」