原作沿鼬長編壱

□巻の15
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フガクに言われた通り寧々は
丸一日かかる任務を半日もかけずに
終わらせ木ノ葉に帰ってきた。







イタチの言い付けも守り
急がず慎重にもやった。












今朝サスケが修行!と騒いでいたのを
思い出し家へと急いだ。












何よりもイタチに逢いたい。












残り僅かの時間を無駄にしたくない。
















だが、寧々はうちはの居住地の門の前で立ち竦んだ。














それもそのはず、どこもかしこも血の海で
一族の人々の死体がゴロゴロと転がっていたのだ。















『っ!?…まさか、もう……!』














寧々は家へと急いだ。














『お父様!お母様!…サスケ!』














家の中からはフガク、ミコト、イタチの気配がした。












そしてこの居住地の中には
サスケではない誰かの気配を感じた。













『…嫌なチャクラ』














寧々は気配を消して家へと忍び込む。













三人の声がする方向へと。












その部屋の隣の部屋に入り込みかすかな声を盗み聞く。






しかし会話が聞き取れない。














黒呪眼を発動し隣の部屋を透視して
写輪眼で口の動きを読み言葉を理解した。














そしてサスケの気配が近づいてくる。




帰ってきたのだ。












サスケまで巻き込まれるのだろうか…











何も知らないただの子供なのに…















母「………」


父「そうか、お前は向こうへ付いたか…」



鼬「父さん、母さん、オレは…」



母「分かってるわ…イタチ……」




父「……イタチ…最後に約束しろ…」



鼬「……!」




父「サスケの事は頼んだぞ。」





鼬「分かってる…」




父「それと寧々の呪いのこともだ」




鼬「……あぁ…」













イタチの瞳から一筋の涙が伝う。











それにカタカタと震えている。













父「恐れるな…それがお前の決めた道だろ…お前に比べれば我らの痛みは一瞬で終わる…」



母「………」




父「考え方は違ってもお前を誇りに思うよ…」















イタチは声を出さずに大粒の涙を流す。














イタチの震えは止まらない。















父「お前は本当に優しい子だ…」
















そしてイタチは両親を切り殺した。
















『っ、…くっ……』













寧々もイタチ同様涙を流す。













こうなってしまったのは私の所為…












もっと早くに手を打っておけばよかった。













それにサスケの気配はその扉の前にある。
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