原作沿鼬長編壱

□巻の8
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その晩、南賀ノ神社で会合が開かれた。


会合にシスイとイタチは来なかった。







父「イタチはどうした」


『まだ任務が終わってないかと…』


父「……姿を見てないのか?」


『はい…』





寧々はフガクにまた嘘をついた。



先ほどのことをここで口にすれば
さすがのイタチでもどうなるかわからない。



彼女はフガクの望みを叶えようとする一方
無意識のうちにイタチを庇っていたのだ。





父「お前は今日何をしていた!」



フガクは声を上げる。





『暗部の任務を終えてイタチを探しましたが、一向にイタチは帰ってきませんでした。』



父「……シスイのことは知らんか?」


『はい、ここのところ会っていませんので…』





それからいつものごとく
クーデター計画について
話が進んでいく。



今日の会合では
クーデター実行日の目処が立った。





会合も終盤に差し掛かった時、一族の一人が寧々が想像もしなかった言葉を発する。





「イタチが一族を裏切らなきゃいいがな…」



寧々は肺が握られたかのように
息ができなくなった。





その一言で今まで黙っていた人々も話はじめる。





「イタチが里側に情報を流さないと言い切れるか…」


「それにあいつは最近会合に来ない!」


「奴は信用ならんな」


「寧々イタチから何も聞いていないか」



『えぇ、何も』




「イタチではなく寧々に任せてはどうだ」



「その方がまだ安心できるな…」



父「寧々にはイタチの監視をさせている」


「監視?だったら話は早いじゃないか」



寧々は黙って話し合いを聞く。





「監視がついているなら、万が一あいつが一族を裏切るような行動をすれば殺してしまえばいい」





耳を疑った。


イタチを殺す?
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