原作沿鼬長編壱
□巻の5
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父「来たか寧々…」
『っ…お父様!』
父「イタチは?」
『見つからなくて……』
私はお父様に嘘をついた。
イタチと話したことに
気づかれてはいけない。
イタチが会合に来ないと
言ったことを悟られてはいけない。
結局イタチとシスイさんは
南賀ノ神社に姿を
現すことはなかったが、
一族の会合は始まった。
父「我々うちは一族は木ノ葉を乗っ取る計画なのはわかっているな?計画も着々と進んでいる。近々、本格的に動き出すぞ!」
お父様…いや、隊長の一言で
うちは一族の眼の色が変わった。
そしてクーデター計画の話は
どんどん進んでいく。
父「イタチについてだ!今イタチは暗部に属している。イタチには一族と里を結ぶパイプ役……すなわちスパイをやらせている」
寧々は酷く驚いた。
一瞬、息ができないくらいに…
イタチがスパイを?
知らなかった、
気付けなかった…
ずっとずっと一緒に居たのに
イタチは何も知らせてくれなかった
今まで私達の間に
秘め事なんてなかったのに
ああ、最近イタチと
すれ違うことが多かったのは…
さっきの【無】の表情も…
【根】の本部から出てきたのも…
これが、原因?
私は勢い良く挙手した。
『はい!お父様!』
父「なんだ寧々…意見か?」
『スパイ役を…イタチ一人に押し付けては、イタチが大変かと思います!だから、私にもスパイ役を……』
「お前は暗部じゃないだろう!」
「お前が一族を裏切らない保証ができぬ!」
一族からは、厳しい意見が飛び交う。
確かに、間違ったことは
言われていない。
フガクは目を閉じ
寧々に問う。
父「……寧々、それがお前の意志だな…?」
フガクは真剣な目で
寧々を見据える。
『はい!私は…確かに暗部じゃないし、イタチみたいに優れた才はないけど……お父様の仰せのままに、一族の願いを…お父様の望みを…叶えたい!』
フガクは無愛想だけど愛しそうに
寧々に優しく微笑みかけた。
父「そうか。お前ならできるだろう」
「隊長っ!こいつにそんな重役を…っ……!」
父「黙れ。隊長命令だ。それに寧々は……」
フガクは写輪眼を発動して
意見したうちは一族を睨む。
そして、寧々の目を見つめ、
父「オレの娘だからな。オレ達の望みを叶えてくれるに決まっている」
『お父様!ありがとうございます…っ』
正直驚いた。
お父様がこの私に…
実の娘ではない私に、
【オレの娘】と仰有って下さって。
嬉しかった。
やっと認めて貰えた気がした。
私の存在を…
こんな私でも期待して下さっている…
お父様の期待に応えられるように、
私はもっともっと
強くならなければならない。
イタチに追い付いて…
イタチを追い越して……