原作沿鼬長編伍

□巻ノ128
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サ「…姉さん、」

鼬「……寧々、」

サ「俺は…、アンタが…」

鼬「………」























サスケの肩に凭れて
永遠の眠りについた寧々の顔は
少し微笑んで眠っている、
そんな表情だった。


















サ「俺は、泣いているアンタが嫌いだった。あの日から、毎晩アンタは泣いていた。」

鼬「………」

サ「それでも俺の前では笑顔でいてくれるアンタが…俺は、」

鼬「……、」

サ「(俺は姉さんの笑顔に救われてきたんだ)」
























サスケは自らに凭れかかり
動かなくなった寧々を
そっと抱いてその場に寝かせた。






















鼬「(お前も、笑って死ねたようだな)」

サ「………」

鼬「これより、穢土転生の術を止める。これで転生の死人は全て消える」

サ「………!」

鼬「戦争も、終わりのときが近づく」

サ「…なら、兄さん、アンタも…」

鼬「……そこで、だ。この術を解いた後に寧々の亡骸を逆飛雷神の術で、俺の身体に施されているマーキングに飛ばして欲しい」

サ「…?何故だ、今アンタがやれば…」

鼬「いや、それでは寧々の亡骸を葬ることが出来ない。俺は今穢土転生だ。この身体にもマーキングが施されているようだからな、今それをやったところで寧々の身体が俺の手元に来るだけだ」





















サスケはイタチを見かけたその時に
寧々が飛雷神でイタチの背後に回った
ときの事を思い出した。























サ「…要するに、アンタの穢土転生が解ければアンタが埋葬されてる墓に姉さんを逆飛雷神で飛ばすことができるんだな?」

鼬「あぁ、そういうことだ。俺だってまだ死んでそう時間は経ってない。飛雷神のマーキングが消えることは無い。穢土転生の場合を除いてな。それに…こんな所に寧々の亡骸を残したままにする訳にもいかない。」

サ「…わかった、」

鼬「やり方は簡単だ、寧々の身体にある飛雷神の術式にチャクラを流すだけでいい。術式は二つあるが、右腕の方の術式だ」

サ「何故、ふたつある?」

鼬「なんだ、気づいてなかったのか。」

サ「………」

鼬「左腕の術式はサスケ、お前のマーキングに通じるものだ。そして右腕の術式は俺に…」

サ「……、」

鼬「寧々の飛雷神は戦闘用ではない、元来お前の身を案じて、いつでも守れるよう寧々が会得したものだ。」

サ「!」

鼬「二代目や四代目のようには行かないものだ、会得レベルの高い術だからな。俺たちでも、会得出来ないかもしれないぞ」

サ「…そこまでして、(俺を守りたかったというのか)」

鼬「…逆飛雷神の件はお前に任せた、俺は穢土転生の術を解く。」

サ「兄さん、アンタは…」

鼬「…俺は木の葉隠れのうちはイタチとして、もう一度忍里を守ることができる。」

サ「………」

鼬「それに、寧々の黒呪眼も無事に封印を終えた。もうこの世界に未練は無い。」

サ「何故だ!?兄さんにあんなことさせた木の葉の為に何でまた兄さんが!!アンタらが許せても、俺が木の葉を許せない!!この世に未練がないだと!?俺をこんな風にさせたのは兄さんなんだぞ!!」

鼬「………」





















サスケは勢いよく捲くし立てて喋り
息を切らしてイタチを睨んだ。




















鼬「お前を変えられるのはもう、俺じゃない、それに寧々ももう居ない。」

サ「!?」

鼬「だからせめて…この術を止めることが俺の今できること。寧々がお前に新たな力を託したことを、俺がナルトに託したことを、ないがしろにしないためにもな」

サ「…?」




























イタチ地に倒れ眠る寧々の
頭を撫でた。



















鼬「…俺が早く逝ってやらねば、寧々が困るだろうからな。」

サ「?」

鼬「こいつが道を間違えば俺が正す。…それは死んでも変わらない」
























そしてイタチはカブトに
向き直り月読をかけ
穢土転生の術を止める印を聞き出す。

















兜「子・丑・申・寅・辰・亥」















するとカブトはゆっくりと
その印を結びだした。
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