原作沿鼬長編伍

□巻ノ124
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カブトを捕らえていた寧々の
黒羽根が散り、ゆらゆらと舞う。




























鼬「寧々!」

『…はぁ、はぁ、』

サ「姉さん、なんで…!」

鼬「………、」
































イタチはカブトを睨みつける。
サスケは首から大量の血を流す
寧々の後姿をただ見ていた。

































兜「まさか自分から出てきてくれるとはね…、上手く気配を消していたようだけど、」

『くっ…、』

兜「!!」

































寧々は自らの首に
噛み付いている白蛇を
片手で掴む。
その途端に白蛇は
赤黒く変色しボロボロと朽ちていく。































兜「黒死血!!」

『わざわざ攻撃を受けたんじゃない…』

兜「チィッ…」


































カブトは黒死血が
自分の身体に流れ込む前に
口内から出していた蛇を
吐き出した。
白蛇は朽ち寧々は
ようやく開放される。

























『それに、私は気配を消していたんじゃない、』

兜「?」

『"気配を消した"のでは無く、アンタが"気配を感知できなかった"のよ』

兜「…何を言ってるんだい?」

『…蛇は体温感知と、嗅覚感知で、相手の動きを感知する。サスケがそう言った時から私はアンタに感知されないよう手を打っていた。』

兜「………」

『まず氷遁を応用して私は体温をこの洞窟内の気温と同じ温度まで下げた。そして、晶遁で薄い水晶の膜を作り身体に張り巡らせ、匂いを遮断した。』

兜「!!」

『だからアンタは私を感知することが出来なかった。アンタが姑息なインテリヤローだという事は今までの戦い方で嫌と言うほど理解している。アンタの狙いはイタチの札を書き換えてもう一度手駒にするか、私を人質に取り交渉に徹するか、の二択だったはずだ』

鼬「………」

『後者だった場合の事を第一に考え、私は予めアンタに感知されないように手を打ってたのよ。こんな身体だし、二人の足手まといにはなりたくないからね』

サ「……、」

『そして私の居場所を掴めなかったアンタの攻撃の矛先はサスケへと変わった。』

兜「…ならどうして僕を捕らえた時に攻撃を仕掛けてこなかったんだい?…黒呪眼の力を以ってすれば僕の攻撃は愚か、マダラの呪印にも抗えるはずだろう?」

鼬「………」

兜「…どうやら、攻撃しなかったのではなく、出来なかったようだね。黒呪眼のリスクは、やはり君の身体じゃ耐えられなかった。もう残り僅かなんだろう?力の糧となる、命が…」

サ「…どういうことだ?」

『……サスケを守り抜くことが、今の私にとって最も重要なこと。アンタに攻撃を出来なかったとしても白激の術を解くことが出来た、あの蛇が私の血液に触れたから』

兜「………」

『…あの術を解き二人を解放した時点で、アンタは窮地に立つことになったのよ』

兜「随分強気だね、どこからそんな自信が?もう君は戦えるような身体じゃない。柱間細胞でも移植しない限りね」

鼬「……!」

『…もう、私が戦う必要はない。だからそんなものはいらないのよ』

サ「?(戦う必要が無い?)」

『…くっ!!』

サ「!?」
























寧々は突然身体の痺れを感じ
その場にしゃがみ込んだ。



























鼬「寧々!」

『…くっ、』

兜「どうやら毒が回ってきたようだね、」

『(あの白蛇、やはり毒を…)』
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