原作沿鼬長編参

□巻の67
1ページ/3ページ








あの事件から少し経って、
またいつも通りの日々が流れていた。













いつも通り店のはずなのだが
あの日以来イタチは何か物思いに耽ているようだった。




















『イタチ』



鼬「………。」



『イーターチー』



鼬「………。」



『……イタチ!!』



鼬「…!何だ?」



『何だじゃないでしょ?さっきから何度も呼んでるのに』



鼬「…すまない。少し考え事をしていてな」













寧々はイタチの隣に腰掛け、彼に茶を差し出した。
イタチはそれを無言で受け取り啜った。












『最近ずっとそんな調子だけど、どうかしたの?』



鼬「いや…、…何も無い」



『……そう?』



鼬「……あぁ」












二人の間に長い沈黙が流れる。















『話す気になったら話してね?私はずっと待ってるから』



鼬「………。」














寧々は空になったイタチの湯呑を受け取り盆に乗せ立ち上がる。





















鼬「寧々」



『……!』














立ち上がった寧々の手を掴んで彼女の眼をじっと見つめるイタチ。












『イタチ?』




鼬「お前に話さなければならないことが山ほどある。」

















先程までとは打って変わってイタチの眼は寧々の眼をしっかりと捉えていた。

















『片時も離れずしかとお聞き致しまするぞ!!』










ふざけたようにそう言ってイタチに飛びついた。
















鼬「こ、こら!危ないだろう!湯呑が割れたらどうする!?」



『えへへ…』
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ