オビト原作沿い中編

□巻ノ十七
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『マダラ、遅いわ、』



わたしはマダラに駆け寄り、
サスケくんから逃げるようにその背に隠れた。




「…なんだ、また人見知りか?」

『…そういう訳じゃないの、』

「…お前は相変わらずだな」

『………、あのねマダラ、』


わたしはマダラの耳に手を翳す。
そうすればマダラはわたしの身長に合わせて屈んでくれる。
サスケくんは私が誰なのかを知っていた。
そう、マダラにだけ聞こえるように囁く。
そうすればマダラはただ静かにわたしの目を見つめる。
なので、助けてという気持ちを込めてそれを見つめ返した。
あれだけ外の世界を望んだ私だったけれど
長年生きていることを隠しマダラに匿われて来れば
この存在を悟られることは恐怖の対象でしかなかった。
月の眼計画を目前にして、過ちは許されない。
不安が胸を過ぎる中、サスケくんがマダラを呼んだ。




サ「ここから出せ」




そう言って彼はマダラを鋭い眼で捉える。




「そう慌てるな、今ここから出してやる、外にはお前への土産もある」





そうマダラが言えば、景色が一変した。
わたしたちは漸く時空間から出られたのだ。
そして、目の前にはサスケの標的であるダンゾウ。




ダ「うちはサスケか…それと、」




臨戦態勢のダンゾウがサスケを、
そしてわたしの存在を確認した。




ダ「…うちはねねこ。やはり生きておったか……」

『………』

ダ「…あの夜から唯一死体が見つからなかったお前がここに居るのは、マダラ…お前の仕業か?」

「……さぁな、」

ダ「…ちょうどいい、お前たちの写輪眼も戴くとしよう」




包帯の解かれたダンゾウの腕には
多数の写輪眼が埋め込まれていた。
その不気味な姿に背筋がぞっとする。



「お前は下がっていろ。巻き込まれれば死ぬぞ」

香「…!」

「ねねこ、来い」



マダラの忠告に香燐はサスケから少し距離を取り
わたしはマダラに続いて、大きな門の屋根に飛び移った。





『マダラ、これは…』

「…サスケの復讐劇だ。写輪眼の戦い、お前も見ておくといい。」
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