オビト原作沿い中編
□巻ノ六
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『…そんな、嘘よ……、私はそんな力知らない。それに写輪眼を開眼したのはもっと先の事、』
「ああ、お前は何も覚えていない。そう木の葉がお前の記憶を操作したのさ」
ねねこはマダラの話を聞いて
酷く動揺していた。
肩を大きく上下させながら息を荒げる。
「写輪眼は、大きな愛の喪失や、自分自身の失意にもがき苦しむ時に特殊なチャクラが吹き出し開眼すると言われている。」
『だって、わたしはオビトくんの死を以って、写輪眼を…』
「…お前の記憶ではそうかもしれないが、本来は違う。お前はうちはオビトの死によって、万華鏡写輪眼を開眼したのさ」
『…そんなこと、ありえない!!万華鏡写輪眼の開眼条件は、最も親しい者を手にかけなければ…、』
「ああ、確かにお前はうちはオビトを殺してはいない。しかし、お前にとってうちはオビトの存在は大きすぎた。それによって、お前は異例の条件で万華鏡写輪眼を開眼した」
『………』
「愛を知ったうちはの者がその強い愛情を失った時…それがより強い憎しみに取って代わる。だがそれが瞳力を増し、より強い力となる」
そうだ、両親が殉職したと聞いていた
あの頃の私にとってはオビトくんが全てで
オビトくんが夢だった。
ただオビトくんの背中を追っていた。
わたしにはオビトくんしかいなかったんだ。
最初は兄妹のようだと思っていた。
いつからかそれは幼い恋心にもなり
家族愛に近いものも芽生えていた。
マダラの言う通り、
わたしにとってオビトくんの存在は大きすぎた。
『でも、一度も、そんな力…』
「写輪眼の開眼が早かった分、万華鏡の開眼も他人に比べかなり早かった。その力に気づけないのも仕方ない」
『………』
「この世は思い通りにいかぬことばかりだ。長く生きれば生きる程、現実は苦しみと痛みと虚しさだけが漂っていることに気付く」
『……もうやめて、マダラ』
「ねねこ、思い出せ。この世界は地獄だ」
『!!』