オビト原作沿い中編

□巻ノ五
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『母さん、明日は雪だるまを作れるわ!』

「なにを言っているの、こんな時期に雪なんて降る訳がないでしょう?」





その次の日は木の葉に
季節外れの大寒波が訪れた。











『父さん、どうしておばあちゃんと明日から会えなくなるの』

「何を言う?明日も明後日もおばあちゃんには会えるさ」









おばあちゃんは次の日
帰らぬ人となった。
突然の帰幽だった。












『明日、里がめちゃくちゃになってしまう怖いの』

「ねねこ、もうやめて」











そう言った次の日には
他国が里に攻め込んできた。














「ねねこは特別な力を持っている」

「それはあまりいい力ではない。不要に他言しないでおこう」

「わたしたちだけの秘密よ」

「ああ、この子を守るためにもな」











その次にねねこが見たものは
無残に転がる両親の死体だった。












「父さん、母さん、どうして、」














紅く闇に光る瞳から
生温い涙が伝った。
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