オビト原作沿い中編
□巻ノ二
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「やい、泣き虫」
「泣いてばっかりで湿っぽいんだよ」
『っ、ひ、っく…』
「おい、なんか言えよ泣き虫」
幼い男の子数人が泣きじゃくる女の子を
囲んで髪を掴み罵声を浴びせる。
「ぎゃはは、真っ赤な目」
「お前うちは一族だったな!写輪眼って、そういうことか?」
「お前の写輪眼ってだっせーの」
「だっせぇのはテメェらだ!!」
突然の見知らぬ声に驚いた少女が顔を上げると
そこには木の葉の額宛てを身に着けゴーグルをかけた
ツンツン頭の少年が腕を組み仁王立ちで居た。
「お前ら男のくせによってたかって女の子一人いじめてんじゃねーよ」
「額宛て…!」
「こいつチビだけど忍者か!!」
カチーン「うっせぇ!てめぇらの方がチビだろうが!!」
「ってかどこのにいちゃんかしらねーけど関係ないだろ」
そうだそうだ、と幼い少年たちは
ゴーグルの少年に詰め寄る。
「関係ある!!」
「「「!!」」」
「俺は火影になる、うちはオビトだ!!」
ビシィっと親指を立てる少年。
「んでもって俺の火影岩にはトレードマークのゴーグルと、さらに写輪眼もしっかり彫ってもらう!!お前らみたいなクズに睨みをきかせてこんな卑劣なことができねーよーにな!!」
オビトの覇気に圧倒された少年たちは
囲んでいた一人の少女から手を離し
たじろぐように後ずさる。
「この俺の写輪眼を見た者で生きていた奴はいねぇ!!死にたくなけりゃーもう二度とこいつに手ェ出すな!!いいな?」
そういうと少年たちは
すかさずその場を後にした。
「フン、このオビト様が助けに来たからにはもう大丈夫だ。」
『………、』
「お前、名前は?」
『……ねねこ、』
「ねねこか!俺もお前と同じうちは一族だ!この家紋を背負ったからにゃいつまでも泣いてられねーぞ」
オビトはねねこに手を差し伸べる。
「ほら、行くぞ」
『ま、って…どこに、』
「いいから俺についてこい!」
半ば強引にオビトに手を引かれ
ねねこは黙って着いていくしかできなかった。
『オビトくん、』
「ん?」
『…助けてくれて、ありがとう…』
「あたりめーだろ!!」
恥ずかしそうに俯く少女と裏腹に
オビトは眩しい程の笑顔でそう言った。
オビトくんは、
わたしのヒーローなんだ