オビト原作沿い中編
□巻ノ一
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「オビトが死んだ」
ぽたり、と幼い少女の瞳から
大粒の涙が一筋零れ落ちる。
『うそ、だよね…、』
「………、すまない」
『っ、なんで…!』
幼い少女は銀髪の少年の両腕を掴み
嘘だと言って、と揺さぶる。
そして、それを静かに見つめる茶髪の少女と金髪の男。
『なんで、オビトくんが…っ、』
「……ねねこ、すまない、」
『いや、いやだよ、』
「…俺が悪いんだ。俺がオビトの言う通りに初めからリンを助けに行かなかったから…、オビトは俺を庇って…、」
嗚咽を零す少女は両手で顔を隠し
ただ言葉を受け止め涙を流し続ける。
「俺が全部悪いんだ、ねねこ」
「…いや、カカシの所為だけじゃない。…間に合わなくて、済まなかった…」
「…ねねこちゃん…オビトね、写輪眼を、カカシに…」
『もう何も聞きたくないよ』
そう言って乱暴に涙を拭った少女。
『何を言ったって、オビトくんはもう…帰ってこないんだから、』
その時少女の瞳が
初めて赤く染まった。