Imitation

□V 鬼神の真実
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「じゃあ、私達はもう行くね。」


「村は俺たちに任せとけ!」


「ティア達も気をつけなさいよ。」




リルとフォルテに見送られ、ティア、フィン、ジスの3人は村を発った。
目指すは鬼神のいる北の洞窟。
フィンの案内の元、フォレストプリズンを北へ進んでいく。

道中何度か魔物の姿を見たが、体力の消耗を避けるために戦闘を回避しながら進む。


やっとフォレストプリズンを抜け、開けた平原に着いたとき既に日が沈み始めていた。




「えと、ここから洞窟へは更に半日位かかります。」



「じゃあ今日はこの辺りで野宿にしよっか。」



「そうですね、フォレストプリズンを抜けられただけ良かったです。」



あの鬱蒼としたフォレストプリズンは、予想以上に3人の精神力を消費させていた。
開放感溢れる平原は、夕焼けに照らされ赤く燃えていた。

一息ついた3人は野宿のための準備を始める。すると、ティアは1枚のカードを取り出した。
ジスがそれに目敏く気付く。



「隊長、それなんですか?」



「あぁ、これは紋章札(クレストカード)って言うの。紋章魔法を使いたいとき、任務地で魔法陣を描く暇なんてほとんどないでしょ?だからこのカードを魔法陣の代わりに使うの。」



「???」


確かにその札には魔法陣が描かれていた。
しかしフォレストプリズンへ移動した時の魔法陣はとても大きく、この手のひらサイズのカードがその代わりになるのか些か疑問だった。



「ふふ、まぁ見てて。」

疑問符を頭に浮かべたジスを横目に、ティアは紋章札を空に投げる。



「解放(レリーズ)。」



一言唱えると紋章札は眩い光を放ち、札に描かれていた魔法陣が巨大化して地面に広がる。

そして今度は淡く魔法陣が光ると、そのまま地に張り付いた。




「これは退魔の魔法陣でね、この中に居れば魔物に気付かれなくなるの。」



ジスはもちろん、異能の村の出身であるフィンすら驚いている。フィンはかなり興味が沸いた様子で、思わずティアに質問する。



「あの、その紋章札ってどうやって作ってるんですか?」



「魔導団が抱えている研究者が作ってくれるの。詳しいことは帰ってからね。」



「……はぁい。」



フィンは少しガッカリしながらも、きちんと野宿の準備を進める。





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