Imitation

□プロローグ
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昔々、世界がまだ「無」だった頃。
ある一つの存在が生まれました。後に「創造神」と呼ばれる存在です。



創造神は自分が暮らすための「世界」を創りました。
天と地を分け、森と海を創り、暖かな陽射しを生みました。
しかし神は独りぼっち。寂しくなった神は、自分に良く似た姿を持つ存在を創りました。それが「人」です。




しばらくの間、神と人は仲良く共存していました。
しかしそのうち、光に照らされていた影もまた強大になっていたのです。
これすなわち、「魔王」。





やがて神と魔王は争うようになり、人も神のために闘いました。
勝利したのは神。


そして神は魔王を一つの箱に封じました。多くの「闇」と共に。

しかし神もまた、この闘いで多くの力を失いました。
そこで人に箱の番をさせ、自らは長い眠りに就いたのです。





気の遠くなるような時が流れました。



長過ぎる時の流れの中で、いつしか人は、神から託された役目を忘れていました。


そしてあろうことか、一人の人が箱を開けてしまったのです。






瞬く間に闇は広がり、世界中に魔物が溢れ、人々の心は陰りだしました。


――悲しみ
――苦しみ
――憎しみ



それは戦火をもたらすには十分でした。

箱の封印が解かれたことに気付いた神は、一時的に眠りから目覚めました。そして世界の存在自体が崩れかけているのを知りました。けれど神の力はまだ回復していないので、どうすることもできません。



そこで神は、生まれつき神力の強い少女に己の力の全てと世界を託しました。

力を失った神は消滅してしまいましたが、少女は神から託された役目を全うし、生涯世界を支えるために祈り続けました。

少女の子孫は、今でも世界のために祈り続けています。



しかし世界の崩壊は免れましたが、広がった闇は未だに野放しのままです。







――世界の名は「Imitation」





 

 

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