闇夜のセレナーデ

□揺れる紅の激情
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「リト、リト、朝だよ。」



ん……、なんか声が聞こえる。



「あっちゃー、こりゃぐっすり眠っとるわあ。」


「どうしよう……」


「どうしようも何も、起こすしかあらへん。」



あれ、ユーリッシュとイシスの声だ。そっか、2人はもう私の侍女だからこれもお仕事なんだ。

もう起き……
「リト起きろーーっ!!」











「ううっ、鼓膜が痛い……」


「ほんまにごめんって!」


「もう起きようとしてたのに、耳元であんな爆音出さなくたって。」



ユーリッシュの爆音、もとい大声で飛び起きるどころか鼓膜を突き抜けんばかりの衝撃を受けた。ともあれ今はユーリッシュが髪を梳かしてくれて、イシスがドレスを持って来てくれている。



「身支度くらい自分で出来るのに。」


「何でもリトがやってしもたら、ウチらの仕事が無くなるやろ?」



そう言われてしまえば、私は何も言い返せない。ってちょ!何服脱がせてるんすか!



「大人しくしい!着替えさせられへんやん!」


「大丈夫、わたしとユーリッシュでリトをもっと綺麗にしてあげる!」



イシス、キラキラ笑顔だけど、ドレスとアクセサリー片手に迫って来られるのはちょっと……



「さあ、観念しい。」



振り向いたユーリッシュは、輝かしい笑顔でした。




「ぎゃあぁあああぁ!」

 
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