闇夜のセレナーデ

□白の魔王様
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ノックをして入って来たケイさんの手には、美味しそうな朝食があった。テーブルの上に手際よく並べられる料理は、まるで高級なフランス料理みたい。


一通り並べ終えると、私の方を向いて眉を顰める。




「……リト様、他にも着るドレスがあったでしょう。」




「いや、だって、あんなフリフリ盛り沢山なドレスはちょっと……。」




「魔王陛下の花嫁ともあろうお方が、そんな粗末なワンピースでどうするのです。」




「いや、私、魔王様の花嫁になる気なんてありませんから。」



ケイさんは溜息を一つつく。




「まぁ、取りあえず朝食を取って下さい。その後色々ご説明致しますから。」




そう言いながらケイさんは椅子を引いて、私に座るよう促す。私は素直に座って、早速朝食を頂く。




「美味しいっ!」




見た目通り美味しくて、どんどん食が進む。




「ごちそうさまでした。」




朝食をぺろりとたいらげた私は、大満足である。
ケイさんはササッと食器を片付けると、私の向かい側に座った。





「さて、何からお話すればよろしいでしょうか……。」




「……取りあえず、なんで私が魔王様とやらの花嫁になったんですか?」




私が一番気になっていた疑問を投げ掛けると、ケイさんの顔が険しくなった。




 
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