捧げ物

□続・大切なもの
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続・大切なもの


体育館には、並中に通うもの全てが集まっている
そして壇上にいるのは、並盛の秩序ではなく、出張に行っていたリボ山先生と、保険医のシャマル

「う…うそ、だ…」

誰かの掠れた声が、体育館に響く

目の前に提示されたのは
自分達が慕う女性の本性と
自分達が犯した過ち

信じたくなかった
自分達が正義だとのたまい
罪のないツナを、醜く笑いながら暴力を振るっていたことを

「ああ…1つ言い忘れてたがな
沢田綱吉は、家庭の事情で男として育て上げられた…


女だ」

リボ山の言葉に、誰もが目の前が真っ暗になったように感じた

「ち、違う…俺達は、だ、騙されていたんだ!!」

「そ、そうだ!
あの女が俺達を騙したりしなきゃ!!」

喚く彼らを、リボ山は冷たい目で見やる
そこに、指差された女の、笑い声が響いた

「馬鹿じゃないの?
私は一度もツナ君に仕返ししてほしいなんて言ったことはないわ
あんた達が自分で考えて、勝手にやったことでしょう?」

そう言って、女は鼻で笑う
それにカッ とした獄寺が殴りかかるが、女は簡単にかわし、足払いをかける
それに、獄寺はいとも容易く地に転がった

「私が本当に見たかったのはツナ君の、信じてもらえずに絶望した表情じゃなく
あんた達みたいに
クラスメイトを、友達を、信じていた者を、私よりも長く一緒にいた者を簡単に裏切る奴らが、絶望に染まるところよ!」

そう叫んだ女の迫力に、獄寺達は思わず怯んだ

「"リボ山先生"
あなたは、私がしてきたことも、家がやってることも全て、調べあげたのでしょう?
彼を…いえ、彼女を標的にしたときから、覚悟していたわ
…処罰は全て、受け入れます」

そう言った彼女は、罪を犯した人間でありながら、晴々とした表情をしていた
それに、リボ山は小さく笑むが、直ぐ様表情を消して全員を見渡す

「てめぇらは一部を除き、警察に引き渡す」

その言葉に、多くの者が力なく座り込む

「…が、それじゃあ気がすまねぇからな
てめぇらに見せた動画全て、TV局に渡した
今ごろ全国放送されてるぞ」

「並高に入学は出来るが、この町から出ることは出来ねぇ
一生、この町で後ろ指さされながら生きてくことになる…まぁ、自業自得か」

リボ山とシャマルの言葉に泣き出す生徒や教師たち
それらを帰し、ボンゴレ関係者を残す
そこに、9代目と家光に連れられ、青ざめた顔の骸とクロームが現れた







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