記念・企画

□ポッキーの日
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ツナの執務室には、ポキッ という音と
サラサラと紙の上をペンが踊る音だけが響いていた

そこに

「……なんだ、それは」

「!…おひゃえり(おかえり)」

1カ月の任務に出ていたリボーンが帰ってきた
彼が指を指した先には、ポッキーの箱が積まれている

「ポッキー
なんか来る人全員が渡してきたの」

口にしていたポッキーを食べ終わってから、ツナは言った
それに、リボーンはブスッ とした雰囲気になった

「?…今日ってなんかあったけ?」

「はぁ…今日は何日だ?」

「今日…?10日??」

「11日だぞ」

首を傾げて言ったツナだが不正解
しかし、その答えにツナは納得した

「そっか、今日はポッキーの日か
だからみんな物欲しそうに見てたんだ」

言ってくれればポッキーゲーム大会でもしたのに

そう言うツナに、リボーンは眉を寄せる

(……機嫌悪いなぁ)

リボーンの様子に、ツナは心の中でため息をはいた
大分片付いてきた書類と
ソファーに座ったリボーンを見比べ、ツナはもう一度心の中でため息をはき、手を進めた



「ふぅ…」

重要な書類にだけ目を通し終わったツナだが、大分時間がたっていた
しかし、リボーンはまだソファーに座り、エスプレッソを飲んでいた
それに苦笑したツナは
ポッキーを1本食べながら近づく

「リボーン」

「なん……」

肘掛けに座り、リボーンに向かって口を尖らせたツナ
それに、リボーンは目を瞬かせた

「ん」

口に挟んだポッキーを揺らし、ツナは催促する
それに、リボーンは小さく笑った

食べかけのポッキーは短く
2人の唇は直ぐにくっつく

しかし、触れるだけで止まり、離れる
そしと少しの間をとり
もう一度、今度は深く口付けた



「…ったく、何日寝てねぇんだ?」

機嫌を直してよく見れば、大分深い隈ができているツナ

「んー…2日!
あれ?3日だっけ??」

いつになく素直だと思えば、どうやら寝不足のせいのようだ

「ツナ、寝ろ」

「んん…でも…書類」

「重要なのは終わらしたんだろ?」

「そうだけど…」

「いいから、寝ろ」

「Σうにゃ」

ツナの頭を自身の膝に押すつける
そして優しく髪を梳けば、次第に寝息が聞こえ始めた





(リボーンが優しい)

(なに言ってやがる
俺はいつでも優しいぞ)
 

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