記念・企画

□クリスマス
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「ーーーで、報告はおわりだぁあ!」

毎朝行うヴァリアー会議

が、終わった



「ボス、お茶でもいかがですか?」

「レヴィ、僕にも頼むよ」

「ししっ俺のもー」

「ミーもお願いしますー」

「誰がお前たちなんぞに…!」

「私が淹れててくるわ〜」

のんびりした声が、会議室に響く
因みに、スクアーロは既に室内には居ない
会議が終わった直後に出ていったからだ
また、ヴァリアーのボスであるザンザスもレヴィが茶を勧めた辺りで出ていった
それにレヴィだけ未だ気付いてなかったりする


(これはザンザスに渡さなけりゃいけねーやつだな。こっちは津奈に……そんときに預かりものを返してもらって……)

スクアーロは今、1日分の仕事を半日で終わらせるために急いでいる


今日は12月24日
つまり、クリスマスイブだ!
そして、恋人であるザンザスとデートの約束もしている
ゆったりとした時間を過ごすためにも、スクアーロは急いで仕事を片付けようと考えながら歩いていた

その後ろに、ザンザスの姿
結構な速さで歩いているスクアーロにもう少しで追い付く、といった所

「お"PPPPP…"……」

言いかけたところで、電子音が響いた

「もしもし?…ディーノか」

「っ!」

ディーノ と言う単語に、反射的にザンザスは隠れた

「!本当か!?わりぃな…ああ……もう少し時間がかかる。津奈んとこ行ったら直ぐに向かう………ああ、また後で」

そう言って電話を切ったスクアーロの横顔はとても嬉しそうで、胸がツキリ と痛んだ気がした





「うお゛ぉい!判子頼むぜぇ!!」

正午を少し回った頃
ザンザスの執務室にスクアーロが入る

「…カス鮫、ディーノと何話してたんだ?」

「ディーノと??」

思いきって聞いてみたザンザスだが、スクアーロは?を飛ばした

「会議の後に電話をしてただろうが…!」

「え…あ、き、聞いてたのか!?」

ザンザスの言葉に、焦りの表情を浮かべたスクアーロ
その表情に、ザンザスは自身の勘が的中したという考えに行き着いた

「…どっちが本命だ?それとも、両方お遊びだったてことか?」

「……どういう意味だぁ?」

顔をうつむかせ、拳を握りながら、スクアーロは聞き返す

「ふん…そのまんまの意味だ。まさか、てめぇがそんな尻軽女だったとはな…どうせ他にもいるんだ……!!」

言いきる前に、パシン と渇いた音が響いた

「………邪魔したな」

「っま……!!」

待て と繋がれるはずだった言葉は、閉められたドアによって遮られた







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