記念・企画

□ないわ〜
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ないわ〜


とある晴天なある日の放課後
ツナは屋上に呼び出されていた

相手は姫野麻梨亞
父親がイタリア人らしい

チラリ と、時計を見る

(おそいなぁ〜
この後予定があるのに…)

ふぅと、息をついた時だった
扉が開き、西日に当たって眩しすぎるほど煌めく金髪が目に入る

「遅くなってごめ〜んVv」

「……ううん、大丈夫だよ
(絶対悪いと思ってないや…)」

一瞬の間のうちに笑みを張り付けてツナは答える

「それで、用事って?」

さっさと終わらせようと問えば、更に麻梨亞は笑みを深くして見つめてきた

「あのねぇ
私ぃ、ツナ君のこと、好きになっちゃったみたいなのぉ」

だからぁ、付き合わない〜?

そう言ってきた麻梨亞に、内心眉を寄せる

(…つまり、隼人達に近付きたいと)

ツナと付き合うことになれば自然に獄寺達と近づける
今までの邪険な態度も改善されると考えたのだろう

超直感や読心術を使わずとも、その態度、その欲に染まった瞳で簡単にわかる

「…ありがとう
でも、ごめん
姫野さんをそんな風に考えたことないから…」

だから、ごめん

そう、申し訳なさそうに言ったツナは予定があるからと早々に屋上を後にした

「っ……ダメツナのくせにぃ
そういう風に考えたことない!?
だからダメツナなのよぉ!!
私の魅力がわからないなんてぇ!!!」

ギリギリと歯を食いし縛った麻梨亞も、屋上を後にし、教室に戻っていった





その頃
教室には、まだクラスメイト達が残っていた

「ツナ、遅いのなぁ」

「…どうせ恭弥の奴が引き留めてんだろ」

少し寂しげな山本の言葉に、獄寺はむすっと答えた

「あれ?ツナ君まだ来てないの?」

そこに、お手洗いに行っていた京子、花、ハル、クロームこと凪が現れる

「はひー?
ホントですー!!」

「ツナ、いない…」

「おかしいわね…
こっちの準備の為に少し引き留めておくだけのはずなんだけど」

そう、花が首を傾げた時だった






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