捧げ物

□いつも笑ってごまかすんだきみは
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※学パロで千歳が二年、雪奈が一年設定です





誰もいない放課後の教室にバチンッ、と音がいやなくらいに響く。
教室にいるのは二年生の風間千歳と一年生の涼森雪奈だ。
叩いたのは、雪奈で彼女の突然の行動に唖然とする千歳の右頬は赤くなっていた。

「……雪奈?」

我に返って彼女の名前を言う。
急に何するんだよ!、そう千歳が言うとごめんなさい、と言って俯く雪奈。

「……自分が原因分かってるのにさ、どうして……」
「悪かったって、今度から相談するからな?」

泣きそうな声をする雪奈にそう言った千歳だが、雪奈はスカートの裾を掴んだ。

「その言葉なら、前にも聞きました!」
「その……、ごめんな」

落ち着いて来た雪奈は顔を上げる。

「……そんなに私のこと信用できないですか?」
「それとこれは違うだろ!」

雪奈の呟きにそう言う千歳。

「なら、いつも笑って誤魔化して無理して……どうしてなん、ですか?」
「お前が無茶する姿なんて俺は見たくねぇんだよ!」

言い争いになり掛けてる二人。
ごめんなさい、雪奈が頭を下げて謝る。

「私……、千歳のことを思って言ってましたが……
あなたの気持ちを考えてませんでした」
「いや、俺こそ……相談しないで動いてて、お前がどう思うか考えてなかった本当にごめんな」

互いに謝った二人は教室を後にした。
仲直りした二人は、放課後の町をずっと歩いて行った。

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