捧げ物

□美術準備室での手伝い
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涼森雪奈は内緒で美術科の不知火秦と付き合っているがデートはしたくても出来ない状態。
デートの代わりは……。

「秦さん、これって何処に置けば良いのですか?」
「それなら、そこにお願いします」

二人きりの美術準備室で事情を知らない人から見れば、秦が雪奈に仕事を手伝って貰っているだけ。

「あれ、何だろう」

棚の上に乗っかっている段ボール箱を見て言う雪奈。
椅子に乗っかれば、届きそうな段ボール箱を取る為に椅子の上に乗る。

「雪奈、それは気にしなくても良いですから
……それよりも」

雪奈は椅子から降りて秦の方を振り向くと、急に彼に抱き寄せられたのだ。

「し、秦さん!」

思わず、驚く雪奈を他所に彼女を抱き締める秦。
そんな彼の行動に顔を赤くする雪奈。

「此処、学校ですよ!」
「勿論、知ってますよ
ですが、今は私たち二人だけではありませんか」

誰も来ない美術準備室は都合が良いが学校でこんなことをされるのは恥ずかしい、と思ってしまうが彼には勝てない雪奈がいた。
これは下校五分前のチャイムが鳴るまで続いた。

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