捧げ物

□休日の散歩道
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休日、部活がない日はいつも街を小走りで走っていた。
街の風景を観ながら、走るのも良い。
変わってく街並みと変わらない街並み。
それが今のこの街だ。

「あれ?雪奈じゃねぇか」

公園ですれ違った時に声を掛けられた。
雪奈は止まって振り返ると一つ上の学年で剣道部の千歳がいた。

「千歳、偶然ですね」
「そうだな」

仲は良いが休日は互いに忙しくて会うことが少なかったがこんなところで会うとはお互い思わなかった。

「此処、お前のランニングコースか?」

千歳は尋ねると縦に頷く雪奈。

「千歳が此処に来るなんて珍しいですね」
「そうか?」

うん、と言う雪奈。
千歳は公園のブランコを見る。

「そういや、あのブランコで遊んだよな」
「そうですね」

二人はそのブランコを眺める。
あっ、と千歳が何か思いついたように声をあげる。

「雪奈、この俺が久々にお前のランニングに付き合ってやるよ」
「千歳、珍しいですね」

今日は暇だからよ、と千歳は満面の笑みを浮かべて走り出す。

「雪奈、置いてくぞ!」
「ま、待ってください千歳!」

雪奈も走り出す。
公園を後にして走り出す二人。

この公園で遊んだことを思い出して……。

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