捧げ物

□選ぶのは決まっています
1ページ/1ページ


はぐれ鬼の里を探してから早数が月。
鬼や人間に見つからないような山奥へ向かう途中の出来事。

「そういえば、千耶随分前に汐見爺から言われたことがあるのですが」

休憩中に雪奈は前に言われたことを千耶に話し始める。
それは以前汐見に孫の嫁に来ないか?、と言われた言う話だった。

「汐見翁の孫の嫁……」

千耶は言葉を選ぶ為に考え込んだ。

「……もしや、その話は今も続いてるのか?」

言葉を選びながら聞く千耶は首を傾げる。
雪奈はいいえ続いてませんよ、と言うとそうか、と言いつつホッとした千耶がいた。

「その、千耶がいるので……」

照れながら言う雪奈。
そんな彼女を見て可愛い、と密かに思い微笑む千耶がいた。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ