長編T
□その友人×惑わし
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『はい、もしもし?』
「あ、デリート?◆」
『ヒソカ?』
闘技場にいるヒソカからの電話だった。
「元気かい?★」
『うん!ヒソカは?』
「問題ないよ」
とても楽しそうな、上機嫌な声が電話の向こうから聞こえた。
『何か良いことがあったみたいだね?』
「分かるかい?★」
何があったのか分からないけれど、ずいぶん嬉しそうだ。
『闘技場で何かあったの?』
「聞いてくれるかい?◆」
どうせ聞かなくても、勝手に話し出すくせに。
『うん、聞くよ』
「………と、その前に」
『ん?』
「イルミに代わって★」
『イルミに?』
すぐに話し出すと思っていたから、拍子抜けしてしまった。
『イルミー、ヒソカから電話なんだけど』
「オレはいないよ。実家に帰らせていただきました」
『え、何それ……』
イルミさんったら、どこでそんな言葉を覚えたのかしら……
「うん。この昼ドラが面白くてさ」
『あ、昼ドラ見るんだ』
-----、じゃなくて。
『ヒソカから電話!!』
「仕方ないなぁ」
渋々といった様子で、イルミは電話を受け取った。
「あ、ヒソカ?また明日ね」
「ちょ、イルミ」
最近、イルミがますます冷たくなった気がする。
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