short

□きみがすき。
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私は悠太がすきで。
すきですきで、すきすぎて。
しょうがないんだけど…

優しい悠太だから、私のすきにしょうがなく答えてくれたのかも…
だからキス以上をしてくれないのかも…
とか思っちゃうんだよ。

すきって、言ってよ。
バカ悠太。


「どうしたの?」

「えっ!な、なにが?」


隣を歩く悠太が少しかがんで、私の顔を覗き込んだ。


「変な顔してる…」

「もとからです!」


つーんと唇を尖らせれば、悠太は口元を手で覆って「そうですか」と表情をゆるめる。

そんな仕草も、私の大好きなもので。
きゅーんと胸を鷲掴みにされる。


「悠太…大好きっ」


ぎゅうっと腕にしがみつく私を見下ろして、悠太は目を細めた。

悠太は好き?って、目で訴える私をしばらく黙って見ていた悠太が、ふっと軽く噴き出す。


「??え?」

「いや…ごめんね。意地悪して」


え?意地悪??
どういうこと?

ハテナを浮かべる私の頭をぽんぽんと撫でる悠太は、なんだか楽しそう?


「だって、沙奈いつも好きって言ったあとに俺のことジーッと見るから。意地悪したくなっちゃうんだよね」

「え?」


訳がわからないうちに、私の家の前に辿り着いてしまっていた。

繋いでいた手がスルリと離され、悠太が私の後ろに回り込む。


「?悠太??」


振り向こうとしたが、悠太に制されてそのまま悠太を背後に感じた。

シャラ…
悠太の腕が私の顔の前を通り、首元にひんやりとした感触。

これは…


「え、ネックレス…」


天使とハートをモチーフにしたネックレスが、悠太の手で私の首元に飾られた。


「付き合って半年の記念の品、ということで…」


首元の天使をキュっと握りしめると、嬉しすぎて泣いてしまいそうだ。

そんな私の耳元で悠太が囁く。


「俺も…大好きです」


後ろからの優しい声と共に、ちゅっと頬に落とされたキス。

咄嗟に振り向くと、私と同じく、ほんのり頬を染めた悠太と出会った。







*きみがすき。*end
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