short

□だいすき
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要が面倒くさそうに眉間にシワを寄せて、ジッと見つめてくる。


「愛情表現ねぇ…」

『そうだよ!要はいつも冷たいの!全然足りないの、愛がっ!』

「あ、俺今日会議あるから。先帰ってろ」

『えっ!また!?』


ポンポンっと私の頭を軽く本で叩き、眼鏡の奥の瞳が細められた。

ってゆーか…いつもそーやってはぐらかす…


要は、頭が良くて、ちょっと乱暴だけどちゃんと優しくて、私の自慢の彼氏です。

でも私は…

バカだし、ガキだし…要を呆れさせてばっかりで…

要を好きー!って気持ちしか自信がないんです。

要は生徒会と学級委員をやってるから、会議なんかしょっちゅうだし、頑張り屋さんな要も大好きなんだけど…

なんかちょっと、もうちょっと私を頼ってくれてもいいと思うんです。

頼りないかもしれないけど、もうちょっと私を必要としてほしいんです。


ベットに寝転んでケータイゲームをボーッとプレイ。

要から連絡が来ることなんて滅多にないし、休日にデートらしいデートもあんまりしない。

休日に会うとすれば、勉強会くらいで、恋人らしいことなんかなにひとつした事がない。

幼なじみという関係だったからか、キスはもちろん、そんな雰囲気にすらならない…

世の中の恋人達はどうやってそういう雰囲気を創り出しているのか、ぜひとも教えてほしいくらいなんです。

…もしかして、私って…
要にとってたいした存在感ないのかも?

いてもいなくてもたいしてかわらない、みたいな?

っていうか、そもそも私たちって付き合ってるの?ちゃんと彼氏彼女の関係なのっ??

どんどん深くなっていく、私の中のモヤモヤ。

は!!!
私、要に好きって言われたこと、ない!?かも!!!?

ガバっと起き上がり、ム○クの叫びのように顔を青くする。


…大問題だ!!




****




「要に好きって言わせたいの?」


次の日。
思い立ったら即行動!!


私は同じく幼なじみで付き合いの長い浅羽悠太に相談してみることにした。

春ちゃんは、なんかものすごく乙女ちっくなクサイことを言い出しそうだし…

祐希は面白がるか、心底面倒くさがるかで、ロクなアドバイスをくれないと思ったから。


「ってゆうか、なに。君たち付き合ってるんだよね…」

『…たぶん?』


私の曖昧な返事に、無表情ながら呆れた色を浮かべる悠太は、あごに手を当てて「うーん」と唸った。


「じゃあ…」


悠太が私の顔の横でゴニョゴニョ囁いた。


『………え。そんなことで?』

「要にとっては効果絶大だと思うけど」

『うぅん…わかった…やる』


と、いうわけで、私と悠太の作戦上が開始された。






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