君と僕。〜only you〜

□12.きょう、あした、あさって。
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晴れ渡る空。

屋上でいつもの如くいつものメンバーでのお昼休み。

春が空を見上げて持参の温かいお茶を一口すすった。


春「はぁ…今日もいい天気。毎日こんな穏やかだと、心も落ち着きますね…」


のほほんとした緩い微笑みを浮かべた春の周りにはお花。

知那も春の雰囲気に当てられてホッと息を吐いた。


千「…ていうかヒマだよね」

悠「なんでこんなにヒマなの最近…」

祐「弁当食べ終わったら何すればいいんだろ俺…もっとペース落として食べなきゃ…」


こんなに空は青いのに、悠太・祐希・千鶴の周りだけどんより暗い。

知那と春はかける言葉がない。


要「ジメジメうぜぇ奴らだな…いつものことだろが、お前らがヒマこいてんのは」


じめ〜っとした視線で要を見た千鶴。


千「状況が違うの、状況がーっ!
ホラ、最近文化祭やらなんやかんやで俺たち輝いちゃったじゃん?」

要「輝いてねぇよ」

千「いきなりこんな平凡な生活に戻されても困っちゃうわけよ」


はふーっと息を吐いて前髪(触覚)をなびかせた千鶴が、いも虫のように地面をクネクネ動いて春の膝に縋り付いた。


千「春ちゃ〜ん!なんかおもしろいことない〜〜〜〜??」


春は困った顔をしてキョロキョロすると「あっ」と声を上げた。


春「はいっそれじゃあ、ふりかけなぞなぞ出しますねっ」

千「なぞなぞっ!?よしきたっ」

祐「だしてだしてー」

知那『悠太もはやくー』


春のその言葉に途端に目を輝かせ、知那・祐希・千鶴と、知那と祐希に腕を引かれた悠太が園児のようにわらわらと春のそばに寄る。


春「えーと…パーティーに招待したのに来なかった動物は次のうちどれでしょう」


ワクワクしながら春の問題を聞いている4人。

春「1番、うさぎ…」

要「3番」


春の問題の途中で、要が答えを言ってしまった。


春「えっ!?なんでわかったんですかっ??」

要「答えの面が後ろ向いてんだよ」

春「えっ!あ!」


知那と千鶴がクワッと要を振り返り、ギロリと睨む。


千「もー!なんで答えちゃうんだよ要っちのアホーっ!」

祐「今日のメインイベントになるはずだったのに…」

知那『要のバカーっ!!』


ヨロヨロと力なく悠太に寄り掛かる祐希。

ムキーっと興奮した知那の頭を撫でる悠太。

要はお構い無しにまた視線を読んでいた本に戻した。


千「こんにゃろっ本読むのやめろ!」

要「てめっ!かえせよオイ!」

祐「俺たちがこんなにヒマなのに要だけすることあるなんて不公平だよ」

要「どんな理屈だよ!」


ぎゃーぎゃーうるさくなってきたところに、丁度よく茉咲がやってきた。

遠慮がちに春の様子を伺いながら近づいてくる。


茉「しゅ、春ちゃん…」

春「茉咲ちゃん?あ、お勉強ですか?」

茉「ご、ごめんね。まだお弁当中だった?ごめんね、えっと…」

春「大丈夫ですよ。あ、ここどうぞ?」


春がにっこり笑って、お弁当箱を片付けて茉咲に座るように促す。

パァっと笑顔で春のそばに座る茉咲の隣に、千鶴がそっと近づいた。


知那『………』


知那は、春・千鶴・茉咲3人の様子をそっと伺っていた。


茉「えっとね…ここなんだけど…」

春「あぁ、ここは僕も解くのに苦労したんですよー」


千鶴が茉咲の背中をチョンチョンと突つく。


茉「えっ!春ちゃんも?」

春「はいっ」


千鶴が茉咲の髪をツンツン引っ張る。


春「えっと、ここはまず…」


千鶴が茉咲の肩をツンツン…


茉「っもー!あんたはなんなのよさっきからっ!!!」


勢いよく千鶴に振り向いた茉咲が一気に叫ぶと、さっさと春に向き直り笑顔を作る。

千鶴はブスっとつまらなそうに唇を尖らせた。




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