OTHER GENRE

□枝と苗 3
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 コロシアイ学園生活のクライマックス、雌雄を決する最後の学級裁判で絶望に傾きかけた空気を、ボクと同じ肩書きを持つ前向きさだけが取り柄だと言っていた少年が突き崩した。
 少年のクラスメイト達は吹っ切れたように笑う。『卒業』した後の未来を恐れつつも、強く、誇らしげに。
 その様子を画面越しに観ていたボクは歓喜に震えた。自分の両腕を抱き締め、叫び出しそうになる衝動を必死に押さえ込む。

 ……ああッ――苗木クン! 苗木クン!!

 やはりボクの目に狂いはなかった。彼こそが、ボクの求めていた『希望』そのもの。
 絶望の権化である彼女を追い詰める、彼の真っ直ぐに伸びた■■は、堪らなくボクの心を昂揚させた。
 あれが、真の『希望』。
 あれが、■■■。
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