IS〜ハ咫烏の導き〜


□二羽 〜世界革新
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Side 秋奈

イギリスで行われた誕生日会から数日、俺は生まれ故郷の日本に帰ってきていた。

「……今度は日本に来て下さい。っと送信!」

そして今、セシリアにメールを送った所だ。

あの後、メルアドと電話番号を交換したんだよな〜。

「秋奈〜♪お昼ご飯よ〜」

「は〜い『♪〜♪〜♪〜』……セシリア返信速いな。」

女子ってこんなにも速いのか?

携帯を開け、受信Boxを開きメールを見る。

『えぇ!ぜひ行ってみたいですわ♪その時はエスコートしてくださいね?』

ははは……

ダンスの後はエスコートか……

少しは勉強した方が良さそうだな。
返信は飯の後にするとして、俺は割り振られた席についた。

「セシリアちゃんからメール?」

「あぁ、今度日本でエスコートしてくれっだって。」


「ふふふ♪良かったわね?」

……母様よ、何故そんなに笑顔なんだい?

「秋奈、大切にしろよ?」

「あぁ、わかっているさ父様。」

何せ初めて出来た同世代の友達だからな。

父様と話をしている中、美味しそうな匂いが漂ってきた。

「さぁ奈祈さん。食べましょう?久しぶりの三人でのお昼ご飯を♪」

昼飯はスパゲティーか♪

「そうだな!よし!」

「「「いただき『♪♪♪』」」」

ジーザス!
携帯タイミング良すぎだろ!

……………?。

でも珍しいな?
父様のプライベートの携帯に連絡がくるなんて?

「悪いな百枝、秋奈。ちょっと待ってくれ。」

「構わないよ。父様。」

「冷めないうちにね?」

「あぁ。……俺だ。どうしたんだ?」

会社の事は仕事様に掛かるのに、プライベートに掛かるなんて……

急ぎの用件なのかな?

「なんだって!百枝!急いでテレビをつけてくれ!」


「えぇ!」

母様は直ぐにテレビを付けた。

そして聞こえてくるのは………

『日本国民のみなさん!安心してください!今、政府の要請により自衛隊がミサイルの追撃に向かっている所です!』

必死に叫んでるキャスターだった。

な、なんだこれ?

「奈祈さん!これは!?」

「磯野の話だと日本を射程範囲内とするミサイル基地のミサイルが一斉に発射されたそうだ!くそ!」

おいおい、何の冗談だよ!

『ただ今、自衛隊の戦闘機が発進しました!』

うるさい!黙れ!
どんな優秀なパイロットや機体でもタイムラグ無く届くミサイルを全て追撃できるか!

「百枝!秋奈!sssに行くぞ!社員の安全を確保する!」

「「はい!/えぇ!」」

くそ!何なんだ!いきなり!

日本に戦争でも吹っ掛けるつもりな『あ――!何でしょうか!あれは!?』 ………うるさい。

俺は今後の対策を考えつつ、テレビを消そうとしたが、テレビに写っているのは、ミサイルを撃墜する白い騎士だった。

「あれはIS!?」

「母様!何かしっているの?」


「えぇ、あれは一ヶ月前に発表があった篠之乃博士が作ったマルチフォーム・スーツ。通称ISよ!」

「……マルチフォーム・スーツって空を飛ぶものなの?」

「本来の目的は宇宙空間での活動を想定とされているし、IS自体が女性しか反応しないっと言う理由からあまり評価されなかった物よ。」


…………?

高速で接近してくるミサイルを撃墜出来る性能。

単独での空中浮遊。

そしてあの起動力。

しかし、女性しか反応しない。






これはまさか!?

「「マッチポンプだ!」」

「奈祈さん?秋奈?」

「だとわかれば話は速い!百枝はその博士と至急交渉しろ!秋奈は新たな人事異動の準備だ!」

「え、えぇ。」

「はい!」

やっぱり、父様も同じ考えか!

これは、世界にISの関心、価値を高める茶番だ!

携帯が頻繁に鳴っている。
……たぶんセシリアだろう。

でもゴメン。

返信は今日中には返せそうにない。


俺はテレビを消し家を出たのだ。

out 秋奈


Side 三人称

日本を射程範囲内とするミサイル基地のコンピュータが一斉にハッキングされ、2341発以上のミサイルが発射された。

………しかし約半数をISと呼ばれるマルチフォーム・スーツが迎撃した上、それを見て捕獲もくしくは撃破しようと各国が送り込んだ軍事兵器の大半を撃破した事件。 のちに『白い騎士事件』で世界はISの価値を、そして危険性を認めたのだった。



…………そして世界は変わっていく。


out









Side 束

「ちーちゃんお疲れ様♪」

「あぁ、……それよりどうだ?」

「うん!スッゴい量のアクセス数だよ!速いのでちーちゃんがミサイルを迎撃開始した時からメールが来たもん♪」

「………速いな」

「私もいくらなんでも速過ぎだなって思って読んで見たら 『篠ノ之博士、操縦士の方、お疲れ様です。これで世界は変わりますね。今後は我社との取引の程よろしくお願いします。』 だって……」


「ッ!これは……」

「調べる事なく私の元に贈られて来てるし、私がやったって核心を得て書いてある。………束さん並の『天才』がいるかもね♪」

「………何処の企業だ?」

「sss……雑賀総合商社。」


「sssだと!」

「本当にビックリだよ♪」


ふふふ、本当に面白い会社だよ………
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