『僕が魔王として君臨したら、貴方は心を奪ってくれますか?』

□華々しい夢物語
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前世の自分は嫌がる訳でもなく、静かに頷いた。
彼と同じ種族に生まれ変わる事が出来るなら、天使だろうと魔族だろうと構わない。例え…魂が目当てだとしても、願いは一つだけだ。


『僕を彼と同じ魔族にして下さい…』


そうして幾年の月日が流れて私は念願の魔族として生を成し遂げた。
人間の時代では考えられなかった世界だ。住めば都とは言ったものだね。


「ふぁぁ…」


閉じていた瞼を開き、両腕を伸ばす。

忙しさに急かされて睡眠時間を削っていたら、父様に叱られた。
『休む事も仕事だ』と、むっすりした表情で。なので心配させる訳にもいかないから十分な睡眠を取らせてもらった。


「…寒いかも」


あれ以来、雪が度々降るんだっけ。
気持ちの問題かな…。
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