『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』
□母親譲りの性格は、次期魔王に相応しい…
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泣く子も黙る鬼の右大臣に比べ、左大臣は柔らかいイメージがあった。
あくまで私中では…
彼がブェルブニの血筋の者でなければ、レイナが態々…空間を通ってくる必要もない。
「レイナ様、前髪は段差入れて下さい。長くって鬱陶しい後ろ髪は…思いっきり、バッサリと…」
「えっ、ちょっ、次期魔王…酷くない?」
「何言ってるんですか。人であろうが、神であろうが、魔族であろうが…身なりが肝心なんですよ。長年と切らず伸ばし続けた髪など、何の未練が詰まっているか計り知れないですからね。左大臣に君臨するなら、綺麗さっぱりな容姿でお願いします…というか…祖母様に似ていて苛つくので一層顔面も変えて頂くと非常に有り難いです…」
金色の髪がさらりと肩から垂れ落ちる。
レイナだけじゃなかったのは一驚だが、メイカも一緒だったとは。
にっこりと笑みを浮かべる姿は恐怖心を煽る。次期魔王なだけに、醸し出す雰囲気は一人前に出来ている。