『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』
□左大臣の隠れんぼ
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【セリティーヌside】
レイナが“命の神”『アラキュナ』に拘る理由が解らない。
私の想い人を奪った恋敵…
憎い相手。
『君が…“白き羽根を持って生まれた魔族”さん?その名、私にくれませんか?』
『はっ』
『素敵じゃありませんか。“白き羽根を持って生まれた魔族”という響きが…』
最初は馬鹿にしているものだと思った。私が白き羽根を持って生まれた事を貶しているものだと。
『…なんてね。私は神である前に、酷く自分の存在を妬んでいます』
『…』
『“命”に携わっていると…どうしても…切ない気持ちが…』
下半身バカとは聞いていたが、あの時の彼は…
――…神だった。
『だから…一度…人間になってみたいです』