『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』

□宿した事は後悔していない…
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僕の中で“彼”は、そいゆう印象だった。
初めて下界で目に入れた時、儚く散りゆく花弁の様で。魂を狩る事に躊躇したのは言うまでもない。
本来なら死神の役目でありながら、何故、僕が彼の魂を狩ったのかは深い意味があった。それは簡単な話だ。アルストム様をブェルブニに戻す事を優先と考えた方法。

純粋な魂は天神界へ行き輪廻する準備に備える。
敢えて魔界へ持って帰って来たのは、アルストム様の為。
僕はカギリ様の命令に従い、人間である彼の魂を持ち帰った。


『貴方は誰?』


『…そうだね、君の夢を叶えに来た者とでも言っておくよ』


『叶えてくれるの?貴方には、それが出来るの?』


『あぁ』


純粋な魂は天神界に逝く事なく、僕の体内に宿された。
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