『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』
□ミヅミとゼーダと…
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「また、要らぬ事を考えてないよね?」
振り返ってはいけない。
これ、私達双子の掟ですの…
振り返ってしまえば、鬼の形相を映す事になるから。
「い、いえ…」
「祖母様にも迷惑が掛かると思い、ブェルブニ城に戻って勉強でもしようと…」
「勉強?」
「そうですわ。次期総司令官に勉強を教えてもらおうと…」
怪訝な表情をして考えているに違いない。母様は次期総司令官という言葉を出せば、必ず考える。
何故なら、次期総司令官はカギリ様のご息子と言われているからだ。
まだまだ先の話ではあるが…
「…そう」
「行っても宜しいでしょうか…」
「って、行かす訳ないでしょう。さぁ…おいで。みっちり説教してあげるから…」
私とゼーダはズルズルと引っ張られて行く。それでも、セイテーラ兄様は気付かない。