『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』

□貴方と、過去の自分と私…
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あー…
状況が読めてしまった。


「ジェイドの背中に書いたのか…」


「あの腐れジェイドに書くとは、流石…兄様の遺伝が受け継がれていますね」


シイガ様と潔癖仮面男は同時にティーカップを取り、口へ運ぶ。


「…確か、兄様も幼い頃にミカエルさんの背中に置き手紙を書いていたような。その後、天神界では一時大変だった事があります…」

「…」


「嫌ですね。子供の頃の…出来心ですよ。大体、あれはミカエルがいけないんですよ…」

嘗ての七大天使が長の背中に置き手紙を書いたなんて凄いを通り越して、神業。


「それに…ハヅキも二人の事は言えませんよ…」


「なっ」


「ラグエルの目を隠している包帯に『母しゃま、ハニエルさんと一緒に海見てくるね!』って可愛らしい文字を書いてくれたもんでして…」


「「ぶっ」」


俺とシイガ様は口に含んでいた紅茶を吹き出しそうになった。
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