『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』

□人間
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【カギリside】


一難去って、また一難。
太古の昔から数えて、荒波に呑まれてきた気がする。お陰で歴史的古い時間を生き抜いてきたが…

魔界王族の中で一番、血族者が増えたのは言うまでもない。


「セリデュク様も大変な毎日を送ってる様で…」


「当たり前だ。俺がお願いしたんだからな…」


「アルストムですか?」


「あぁ…」


隣に座るアルゼスがティーカップを手に取り、口へと運んだ。
彼が言う様にセリデュク大叔父は大変忙しい。理由は、俺がお願いをしたから。
ブェルブニの血筋でありながら大元帥として勤めているアルストム大伯父を、本来の場所へ戻す為。

アルストム大伯父は、とある事がきっかけで自ら大元帥として就いた。
軍からしてみれば有り難いが、俺からしてみれば本来の場所へ戻って実務をこなして欲しい。
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