『僕が魔王として君臨したら、貴方は心を奪ってくれますか?』

□冬の夜は赤く熟れた柘榴。
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―魔界・プリゾ邸・リビング


「カミリア様ぁぁぁぁ…ブェルブニ城に、お戻り下さいぃぃぃ!!!」


突如とプリゾ邸に響き渡る大きな声。
椅子に座っている屋敷の主は眉間に皺を寄せ、青筋を立てている。


「嫌よぉ、貴方…恐いわ。カルシウム不足なんじゃない?」


「誰のせいですか、誰の…」


黒い髪をにピンク色のリボンを付けた女性は、美しい男性に抱かれながら憐れんだ視線を相手に向けた。


「貴女がブェルブニ城に居ないと、大変なのを解っていますよね?カギリ様は今、忙しくって手が離せない状態。ハヅキも忙しいし…」


「私が居なくても、アウル大叔父様やアルストム大叔父様が居ますわ。いちゃもん…付けないでよね!馬鹿ジェイドのくせして…」


「あー…今日でしたね。彼が上層部の一員になるのは…」


ふっと思い出した様に、女性を抱っこしているウリエルが溢す。
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