side story
□一族議案
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―魔界・ブェルブニ城・会議室
事の発端は…。
『私、少々、用事を済ましてきますね。だから、一族議案にアルザリが代理で行って下さい…』とレイナに、言われたからです。
そもそも、ブェルブニの一族議案に私が、参加するなど失礼に値する。
レイナの『お願い』だから文句言わずに居ますが、この居心地の悪さと、言ったら口にしたくないです。今日は運が悪いような気がしてならない。
「長年、空いていた左大臣の席が埋まったのは結構だが、一族議案は必要なのかを問いたいな?で、私の可愛いレイナは何処に行ったのだ?ん?アルザリっ…」
「…レイナなら『用事がある』と申していました」
「用事?」
「えぇ。彼女は時折、私でも予想不可能な行動を取る時があるので…用事の場所までは知りませんよ…」