『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』

□僕が魔王になった時。
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【ゼーダside】


セイテーラ兄様が次期魔王として君臨する事が完全に決まった。
お陰でブェルブニ城は忙しい日々を送っている。何せ、時の左大臣さんも見つかったとかで一族が驚いていた。
それは長い間、空いていた左大臣の席が埋まるんですもの…一大事よね。


「母様…」


「ん」


「セイテーラ兄様が本格的に動くて誠で御座いますか?」


「あんなに躊躇なさっていたのに…」


私とミヅミは椅子に座っている母親へ声を掛けた。
次期魔王として君臨する事を躊躇していた兄様が急に動くなど、他に理由があるとしか思えない。


「…そうだね。セイテーラは確かに魔王になる事を恐れていたし、躊躇していた。でも…内なる力は待っていたのかも知れない」
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