『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』

□左大臣の隠れんぼ
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―魔界・プリゾ邸・ハヅキの寝室


本を捲っていた手が止まる。
メイカは、唖然とするしかなかった。二冊目の本を読んでいた時、偶然見つけてしまった字。
それは、レイナ直筆の文字だった。


『メイカ、左大臣を見つけなさい。貴方なら…きっと見つけられるわ。“命の神 アラキュナ”の曾孫である貴方なら…』と記されており、親切に写真まで添えられた。

しかも、写真に映る顔が祖母ソックリだ。


「えっ、これって……つまり…」


『見つけなさい』と言う事は、ブェルブニ城の何処かに隠れている訳になる。


「――…隠れんぼ?」


首を傾げ、メイカは写真だけをポケットに入れた。
まだ、スヤスヤと寝息をたてている祖母を起こすのは悪い。小さな紙にメモだけを残し、彼は部屋から出た。
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