『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』

□降り積もる雪の様に…
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【ウリエルside】


スヤスヤと寝ているメイカをベッドへ降ろした。久しぶりの感覚はドコか懐かしさを感じさせてくれる。
私は孫を抱けたが、母は抱けなかった。

生きていたら喜んでくれたに違いない…


柔らかな髪を撫で、私は椅子に腰を下ろす。


『ウリエル…彼を、アイツを、宜しく頼みましたよ。放置なんてしたら、周りの者に迷惑がかかります』


『嫌です。母様を傷付ける奴の面倒なんか見たくありません…』


『…そう』


亡くなる前、母は私にあの害虫の事を託しました。
当時の自分は父親が天神界一タラシ男だと知って、憤怒した。母を傷付ける者、私達を悲しませる者、そいゆうジレンマが体全体に回っていた。


『仕方ありませんね。アイツの行いが全て悪いのですから。無理にお願いして悪かったです…』


諦めたかの様に吐いた科白は、少し切なさを含んでいた。
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