『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』
□命の楽曲(後編)
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――魔界・ティーベル邸・バルコニー
「ただいまぁ…」
ふわりと浮いていた体をバルコニーで一人酒していた男性へ預けるレイナ。
視線と視線が合うなり、にっこり微笑む。
「お帰りなさい。如何でしたか?アルゼス達の反応は…」
「うふふっ、面白かったわ」
冷静沈着な表情が青ざめる姿は正にツボだった。想像しなければいいものを想像してしまうのだから面白い。
「魔界最凶兵器を早く発動させてみたいわね…」
「それは最終手段として残しておくべきですよ。レイナ…」
「あら、アルゼス達は必死に止めたいみたいよ。ふふふっ…」
彼女は思い出し笑いをした。
「私はアルストムがズタズタのボロ雑巾にされるのを是非拝んでみたいですね。麗しきウリエルの手による捌きを…」
剣術に関して魔界随一のアルザリがボソッと呟くのは解る気がする。
天神界の門番をしていた頃のウリエルは、剣術が長けていた。