『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』

□命の楽曲(前編)
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【メイカside】


『“深く眠るブェルブニの血よ、其の者…次期魔王として君臨するだろう。如何なる困難が立ちはだかろうと、其の者を支える者、ブェルブニの血族者也”…』


この声は、レイナ様。

透き通るソプラノボイスが心地良く、常に聴いていたいと思わせる。

ドクン、ドクンと鼓動を速める心臓。
自棄に五月蝿く感じてしまう。


『セイテーラ…私の位まで上がってきなさい…』


――…えっ

レイナ様の位って確か、唯一全知全能を司る姫神と同等だと聞いている。
そんな偉大な位まで私は上がってくるなんて、はなはだしいにも程がある様な気がしてならない。


『いいえ、貴方は“命の神”…アラキュナの曾孫ですもの。全ての生命に携わり、ブェルブニの血に革命を起こす新たな使命を与えられた次期魔王…』


全ての生命に携わりし神の曾孫?

一体誰の事を指しているのだろう…
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