『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』
□魔界最凶兵器
1ページ/16ページ
―魔界・ブェルブニ城・噴水
魔界の気温は氷点下まで落ちる程、寒くなる。
たまたまプリゾ邸に赴こうとアルゼス達は噴水前を通った。だが、目にしなければ良かったと正直思う。
彼女達が何を仕出かして、こんな形でずぶ濡れになっているかは知らないが。
ハヅキを怒らせた事は間違いないだろう。
「カギリ様っ!」
「聞いて下さい…!!!」
二人はカギリに声を掛けた。
「母様ったら、酷いんですよ!自分も幼い頃はやっていたのに私達にお仕置きしたんです…」
「あ、ぁぁ…そうか」
「あまりですわ。それは、腐れジェイド叔父様の背中に貼り紙したのは悪かったと思います。けれど…自分の娘に対して…この仕打ちは…」
理由を思い出したイルアは納得した。