『僕が魔族として生まれた時、貴方が抱いて下さい』
□ミヅミとゼーダと…
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【ミヅミside】
鳴呼、何と美しき光景なのでしょう。
輝かんばかりの金色の髪、潤む紅金色の双眸。誰を想って、その様な表情をなさるのでしょうか。
私達のお兄様は…
「ヤバいですわ」
えぇ、非常に萌えます。
「けれど、セイテーラ兄様が此処にずっと居るなんて珍しいですわね…」
ゼーダがぽかんとした顔で言う。
言われてみれば、セイテーラ兄様が祖父様の屋敷にずっと居るのは珍しい。
普段なら、ブェルブニ城に帰っているのだけれど。帰る気配を見せない。
宿題なら既に祖母様へ提出していたし…
否、帰りたくても帰れないのかしら?
「……はぁぁ」
うわぁ…
セイテーラ兄様が溜め息吐いていらっしゃいますわ。