リクエスト。

□大好きでした。
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最初は軽い気持ちで手を出した。
気に食わなかったのを、黙らせるだけのつもりだったのかもしれない。
それとも、今まで俺の周りにいなかったタイプだったから、気になったのかもしれない。
とにかく、
「……黙れィ」
そう言って俺はあいつにキスをした。

ちょこまかとして、俺に悪態をついて。
多少小憎たらしくはあれ、惚れてはいない。
惚れるはずがない。
惚れたら負け。
それが恋愛のセオリー。
そうやって俺は、今まで多くの女の相手をしてきた。
当然、今も。
同じ様にするだけだ。
普段は喧嘩してばっかりのこいつだって。
ちょっと女扱いしてやれば、顔を真っ赤にして。

軽く放心状態のこいつを連れ、俺は頓所の自分の部屋に向かった。
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