小説【3Z】

□喧嘩するほど。
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「だーかーらー、何回言ったら分かるんスか!」
本日は、晴天なり。
爽やかな朝の学校の教室に、金髪の少女の怒声が響き渡る。
周囲の生徒はいつものことだと、意に介さない。
少女が怒りの眼差しを向ける先には、桃髪のぐるぐる眼鏡の少女がいた。
桃髪の少女は、面倒くさそうに言葉を返す。
「うるさいアル染み付きパンツ、私の早弁邪魔すんなヨ」
その言葉が、更に金髪の少女の怒りに火を付けた。
そう、それは決して相手が早すぎる早弁をしているからではなく、
「だから私は染み付きじゃないって言ってるっス!!」

まぁ、そういうことだった。
この2人は、最初から喧嘩ばかりしていたのだ。
金髪の少女は来島また子と言う。
高杉一派の1人だ。
桃髪の少女は神楽と言い、留学生である。
先月からここの高校に来たのだが、神楽とまた子の仲の悪さは有名だった。
また子のことを茶化す神楽に、キレるまた子。
そんな2人を止めるのは、2人の友人である志村妙と沖田ミツバであった。
神楽が留学してくる前は、また子、妙、ミツバと、3人でよく集まっていた。
そこに妙が神楽を引き入れたのだ。
そこからこの2人の喧嘩は始まったのだった。
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